おいしくできません

私は、お菓子をつくるのが苦手でした。

今も得意ではありませんが、以前はお菓子をつくることの意味が分からなかったのです。

材料を揃え分量をきちんとはかり、室温や湿度などを気にして手間をかけて作っても、お店のようにおいしくできません。

なので、とても非効率的なタスクで合理的でない、と思っていました。

買った方が早くておいしく、材料費のことを考えるとコストも変わらないと。

そんな中、図書館で出会ったのが「まいにちおやつ」という、なかしましほさんのレシピ本でした。

表紙が息子の大好きなドーナツがのっていて、今風のナチュラルで北欧風な装丁の本に思わず「可愛いな」と足を止めました。

すぐさま一緒に図書館にきていた二歳の息子が気付き、ドーナツ!これ借りる!というわけで、目的の絵本の他にも、この可愛い絵本のようなレシピ本をかりることにしました。

家で本を息子とみると、身体にやさしくて、ほんわりおいしそうな私と息子好みのおやつがたくさん載っていました。

「これもおいしそう、これも」と二人で言い合っていると、作りたくなってきて、息子のお昼寝中にドーナツを作ってみました。

材料も家にあるものでできそうだったので、思ったよりも早く簡単に作ることができました。

お昼寝から息子が起きるのを待っていると、起きてきました。

寝ぼけてぼんやりしていましたが、ドーナツをみると「ドーナツ!」といい反応をしてくれました。

一緒に食べると、卵やお砂糖のやさしい味が口の中にひろがってきました。

今まで作ったドーナツの中で、いちばんおいしく感じました。

でも、以前何度か作ったことのあるドーナツと、大して味は変わらないんですよね。

ベーキングパウダーの分量が少なくなってしまったので、本の通りにふんわりしなかったのかもしれません。

でも、私はおやつづくりは何かというものを、自分なりに発見しました。

家でつくるおやつは、プロのような味を目指しているわけではありません。

もちろんおいしくできるに越したことはないのですが、一緒にレシピ本を見ながらどれにしようかワクワクしたりします。

また、誰か大切な人の喜ぶ顔を見たくて楽しみに作ったり、なるべく可愛くきれいに作りたいなと工夫してみたり、そのような行程全てがおやつづくりなのだと気づきました。

おそらく、お菓子作りが趣味の方や、毎日素敵なお弁当を作ってられる方は、そんなこととっくに気づいているのでしょうが、私には大発見でした。

フルタイムで仕事に追われ、効率にばかりとらわれた毎日を過ごしていましたが、最近生き方について考えることがあり、趣味をもって楽しく生きることを学びました。

たまの休みに、のんびりおやつづくりはオススメですよ。